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水月雨(Moondrop)Kadenz完全レビュー 中高域の伸びと低音のバランスが光る2pinリケーブル対応イヤホン

イヤホン・ヘッドホン

Moondrop Kadenz──「終章」にふさわしい集大成イヤホン
中国・深セン発のオーディオブランド「水月雨(Moondrop)」がミドルクラスイヤホンとして投入したKadenzは、その名前どおり「終章」を意味する究極の一台です。これまでのMoondrop製イヤホンはやや高音寄りの特性が中心でしたが、Kadenzでは中高音域だけでなく低音域もしっかりとカバーしており、まさにMoondropの集大成と言える仕上がりとなっています。本記事では、Kadenzの外観デザイン、装着感、音質バランスやリケーブル対応などを詳しくレビューし、「なぜこのモデルが“終章”にふさわしいのか」を明らかにします。

中高域の鮮明さと低域の厚みを両立するバランス型

Kadenzは、Moondropらしいクリアな中高域に加え、低域にも十分な厚みを残す調音設計が最大の魅力です。過去モデルでは高音寄りの傾向があったものの、Kadenzではどの帯域もバランスよく再現し、ジャンルを問わず音楽を楽しめます。さらに、2pinリケーブル・4.4mmバランス接続に対応しており、他イヤホンとの音質は段違いに良いです。そのため、「中高域にクリアさを求めながら低域も損なわないバランス型イヤホン」を探している方には最適なイヤホンと言えるでしょう。

バランス接続については下記の記事で解説しています!
・バランス接続とは? アンバランス接続との違いを徹底解説!


外観と装着感──精緻な金属筐体と選べるイヤーピース

Kadenzのハウジングは、金属製ならではの硬質でスタイリッシュなデザインがまず目を引きます。比較的軽量ながらもしっかりとした質感を備えた金属筐体は、見た目の高級感だけでなく耐久性にも優れています。金属筐体の中では軽い方ですが、プラスチック製のものと比べるとずっしりとした重さがあるため耳に乗せる+イヤーピースの接地と、ダブルでフィット感を得られます。

筐体の形状はやや大きめですが、筐体先端の角度やイヤーチップホルダーの入り口に工夫があるため、イヤーチップを深めに挿し込むと外耳道に自然にフィットします。長時間の装着作業でも、金属筐体が冷たく感じることはなく、かつイヤーチップの柔軟性により耳穴への負担が少ないため、違和感はほとんど生じません。

水月雨 Moondrop Kadenz カナル型イヤホン 有線 USB-C Type-C 交換可能リケーブル 4.4mm バランスケーブル 【 10mmシングルダイナミック / ta-Cダイヤモンドコーティング振動板 / 0.78mm 2Pinコネクタ リケーブル可能 】
水月雨 Moondrop Kadenz カナル型イヤホン 有線 USB-C Type-C 交換可能リケーブル 4.4mm バランスケーブル 【 10mmシングルダイナミック / ta-Cダイヤモンドコーティング振動板 / 0.78mm 2P...

中高域の解像感と低域の余裕──Kadenzのサウンドバランス

Kadenzを再生すると、まず感じるのは中高域のクリアさと伸びやかさです。女性ボーカルの息遣いやアコースティック楽器の繊細なニュアンスがしっかりと聴こえ、その解像度の高さはMoondropの従来モデルを彷彿とさせます。しかしKadenzはそれに留まらず、低域にも十分な量感とタイトさを備えています。従来のMoondropイヤホンはやや高音寄りの傾向がありましたが、Kadenzでは低域の骨太なグルーブがバランスよく鳴るため、ポップスやロック、ジャズはもちろん、ヒップホップやEDMまで幅広く対応可能です。以下の表はKadenzの帯域特性を簡単にまとめたものです。

帯域特徴
高域シンバルやハイハットなどの金属音が程よく際立ち、耳に刺さりにくい
中高域女性ボーカルやアコースティック楽器のニュアンスがクリアに再現
中域ギターや管楽器の音色が自然に分離され、音像の違いがわかりやすい
低中域ベースラインやバスドラムに十分な厚みがあり、リズムのタイト感を維持
低域深すぎず浅すぎないバランスで、音楽全体の骨格をしっかりと支える

この調音バランスにより、Kadenzはまさに「Kadenz(終章)」の名にふさわしい、Moondropイヤホンの集大成と言えます。


ケーブルとの相性──2pin着脱&4.4mmバランスの恩恵

Kadenzは2pinコネクタ搭載の着脱式ケーブル設計であり、標準添付の銀メッキ単結晶銅線ケーブルを使用することで、ノイズに強くクリアな音質を実現しています。しかし本当の魅力は、リケーブルによってケーブル材質や導体構造を変えられることです。たとえば、より硬質な銀線ケーブルに交換すると高域の伸びや透明感が際立ち、逆に銅線系のケーブルにすると低域の量感とタイトさが増します。ちなみに筆者のおすすめは純銀ケーブルです。Kadenzの音の解像度に鋭さがますのでより繊細な音もよく聞こえるようになります。

さらに、Kadenzは4.4mmバランス接続に対応しているため、バランス駆動が可能なプレーヤーやDAC/AMPと組み合わせることで、シングルエンド接続よりもチャンネル間のセパレーションが向上し、音場の広がりやダイナミックレンジがさらに広がります。特にハイレゾ音源を再生する際にバランス接続を利用すると、帯域全体において細かなディテールまでしっかり再現され、“高域の解像感”と“低域の厚み”が一層引き立つ印象を受けます。


対応インピーダンスと感度──駆動力とアンプ選びのポイント

Kadenzのインピーダンスは32Ω、感度は108dB/mWと公表されています。この数値はスマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーでも十分にドライブ可能な範囲であり、アンプなしでも十分な音量を得ることができます。ただし、4.4mmバランス接続を活用する場合は、より高い駆動力を得られるバランスアンプを選ぶことで、音質の向上がより明確になります。特に低域の沈み込みや高域の伸びをよりダイナミックに感じたい場合は、ポータブルDAC/AMPの導入がおすすめです。

逆に、アンプ出力が弱いと、音量が取りにくくなったり、低域がややこもり気味になったりする可能性があります。もしスマホ直挿しで聴いていてやや音圧不足を感じる場合は、5V クラスのUSB-DACアダプタを併用すると、インピーダンス負荷が軽減され、クリアさやダイナミックレンジが改善されます。
しかし、Kadenzの性能を考えるとUSB接続だと持て余してしまうかも。やがりオーディオインターフェースに繋いでバランス接続して使用することをおすすめします。


Kadenzのメリット・デメリットまとめ

Kadenzのメリットは何と言っても、Moondropイヤホンの集大成とも言えるバランス設計です。中高域は活き活きとしたクリアネスを保ちつつ、低域はしっかりと厚みを残すことで、あらゆるジャンルの音楽を楽しめるポテンシャルを持っています。また、2pinリケーブル対応と4.4mmバランス入力という高い拡張性は、リスナーが自分好みの音質を追求する上で強力な武器となります。

一方、デメリットとしては、金属筐体がやや大きめであるため、イヤーチップの選択や装着方法に注意が必要な点です。特に耳の小さい人やカナル型イヤホンに慣れていない人は、最初はフィット感に戸惑うかもしれません。また、4.4mmバランス出力を活かすには対応機器の購入が必要になるため、初期投資としてやや費用がかさむことを念頭に置く必要があります。

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Kadenzは「Moondropの終章」にふさわしい名機

総じて、Moondrop Kadenzは「中高域重視+低域もバランスよく」を実現したイヤホンであり、Moondropブランドの集大成にふさわしい存在です。標準ケーブルでも十分高音質ですが、リケーブルやバランス接続を活用することで、そのポテンシャルはさらに引き出せます

もしあなたが「Moondropのこれまでのモデルよりも、さらにフルレンジかつ高解像度で音楽を楽しみたい」「高性能アンプと組み合わせて使いたい」というニーズをお持ちであれば、Kadenzはまさに最適な1台です。その名が示すように、KadenzはまさにMoondropイヤホンの“終章”にふさわしい一台と言えるでしょう。

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