イヤホン選びで意外と大きいのが、音質より先に来る装着感のストレスです。カナル型の密閉感が苦手だったり、長時間つけていると耳が痛くなったり、蒸れたり。私も一時期「結局イヤホンって疲れるよな」と思っていました。
そんなときに刺さったのが、耳穴に深く入れないインナーイヤー型(いわゆる耳掛けではない“耳の入口に乗せる”タイプ)です。密閉で押し込まないぶん、耳がラク。しかも、ちょっとした工夫でフィット感も音も想像以上に整います。
結論:装着感はかなりラク
装着感のラクさを最優先するならインナーイヤー型はかなりアリです。軽くて疲れにくいエントリーなら水月雨 U2、音をじっくり楽しみたいならFiiO FF5がわかりやすい方向性。さらに、インナーイヤー型はイヤーカバー(スポンジ/シリコン)の選び方で体験が変わるので、そこまで含めて選ぶのが正解です。
インナーイヤー型が向いている人
インナーイヤー型の良さは、まず圧迫感が少ないことです。カナル型みたいに耳道を密閉しないので、長時間でも「耳の内側がジンジンする」感じが出にくい。耳穴が小さくてカナルが合いにくい人にも相性が良いです。またつけ外しがしやすいので、作業中に頻繁に離席することが多い人にとってはかなり相性が良いです。
一方で、密閉しない分だけ低音の出方や遮音性は環境の影響を受けやすいです。外がうるさい場所では音量を上げがちになるし、低音はイヤーカバーの種類でかなり印象が変わります。だからこそ、使う場所とイヤーカバー選びが大事になります。
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イヤーカバーで装着感と音が変わる
インナーイヤー型は、カナル型でいうイヤーピースに近い役割を、スポンジ(フォーム)やシリコンカバーが担います。ここで“当たり”を引けるかどうかで満足度が決まる、と言ってもいいです。
スポンジは耳への当たりが柔らかく、フィット感を作りやすい反面、音の抜け方が変わります。シリコンは耐久性が高く、清潔に保ちやすい代わりに、フィットの出し方は少し工夫が必要です。
そして、今回レビューする2機種はこの相性が分かれます。U2はシリコンのドーナツタイプが合いやすく、FF5はスポンジの方がハマりやすい——この違いを前提にすると失敗しにくいです。
水月雨 U2:軽さと気楽さが武器の“普段使い最適解”
U2はまず値段が手頃で、気負わず使えるのが良いです。装着してすぐ分かるのが、イヤホン本体の軽さとケーブルの細さ。取り回しがラクなので、耳に引っ張られる感じが少なく、結果として長時間つけても疲れにくいです。
私はこの軽さがすごく好きで、作業中に流しっぱなしにしたり、ちょっとした確認用に使ったり、いわゆるイヤモニ的な感覚で使いやすいと感じました。「常用できる相棒」感が出やすいイヤホンです。
ただ、U2はそのままだと低音が若干こもり気味に感じる場面があります。ここで効くのがイヤーカバーで、私の結論はスポンジではなくシリコン、さらにドーナツタイプが相性良いです。ドーナツ型は全面を塞がないので、低域の“もわっ”とした感じが整理されやすく、音の通りが素直になります。U2はここを変えた瞬間に「だいぶ整ったな」と感じました。
つまりU2は、手頃で軽くてラクなぶん、仕上げにドーナツ型シリコンを合わせると一段気持ちよくなります。
FiiO FF5:音を楽しむ人向けの“満足度重視”
FF5は装着した瞬間に分かるのが、筐体の重量感です。U2の軽快さとは真逆で、「しっかりした道具を使っている」感が強い。軽さは正義だけど、重さには重さの良さがあって、FF5は鳴り方の厚みや情報量の方向で満足させに来ます。
さらに、構成次第でバランス接続にも対応できるので、「せっかくならちゃんと音を楽しみたい」という人に向きます。インナーイヤー型でも“趣味としてのオーディオ”の世界に寄せられる、というのがFF5の魅力です。
イヤーカバーの相性はU2と逆で、FF5は私の場合、スポンジの方がしっくりきました。スポンジにすると耳への当たりが安定しやすく、筐体の重さも含めてホールド感が出ます。結果として音もまとまりやすく、「FF5はこの状態で完成するな」という納得感がありました。
FF5は、最初から音を楽しむ方向に振り切っているので、使うならスポンジ込みで調整していくのが気持ちいいです。
どっちを選ぶべきか(私はこう使い分けている)
私の感覚では、U2は毎日使える気楽な相棒で、FF5は腰を据えて音を楽しむ相棒です。
長時間の作業、イヤホン疲れを減らしたい、イヤモニっぽく気軽に使いたいならU2が強い。逆に、音の良さをしっかり味わいたい、バランス接続なども含めて環境を整えていきたいならFF5が向きます。
そしてどちらにも共通して言えるのは、インナーイヤー型はイヤーカバーで化けるということ。ここをしっかりと詰めないと「なんか微妙」で終わるし、ちゃんと詰めると「これいいじゃん」になります。
まとめ
インナーイヤー型は、カナル型が合わない人にとって装着感のストレスを一気に減らせる選択肢です。軽くて疲れにくいU2、音を楽しめるFF5。方向性がはっきり違う2本なので、自分の用途に合わせて選ぶと後悔しにくいです。仕上げはイヤーカバー。U2はドーナツ型シリコン、FF5はスポンジ——ここまで揃えると、インナーイヤー型の良さがちゃんと出ます。



