この記事をご覧の方の中には、バランス接続について「聞いたことはあるけど、普通の接続方法との違いがよくわからない」、「そもそもバランス接続ってなに?」と疑問に思っている方がいると思います。本記事ではバランス接続についての説明と、よく使われる接続方法(アンバランス接続)とのメリットやデメリットについて解説します!
おすすめのバランス接続対応イヤホンはこちらで紹介しています!↓
初めてのバランス接続ならこれ!お手頃価格帯のバランス接続可能なイヤホン2選!
そもそも「バランス接続」とは
オーディオにおける「バランス接続」は、音声信号をノイズの影響を受けにくい形で伝送する方式です。特にプロ用オーディオ機器や高級ヘッドホン・DACなどで採用されており、4.4mmプラグやXLRなどで接続されます。ここでは、イラスト付きで仕組み・特徴・アンバランスとの違いを詳しく解説します。
バランス接続の仕組み(図解)
バランス接続の信号伝送
送信側(出力) 受信側(入力)
┌──────┐ ┌──────┐
│ Hot + │──────┐ ┌──▶│ +(非反転)│
└──────┘ │ │ └──────┘
▼ ノイズ ▼
( 同じノイズが乗る )
▲ ▲
┌──────┐ │ │ ┌──────┐
│ Cold -│──────┘ └──▶│ -(反転)│
└──────┘ └──────┘
▼
[+信号 −(−信号)]=2×音声成分(ノイズ除去)
特徴とメリット
ノイズ耐性 | Hot(+)とCold(−)の2本の信号線に同じノイズが乗っても、入力側で逆位相合成されることで打ち消されます。 |
高音質維持 | 長距離伝送でも音質の劣化が少なく、特に録音・PA・スタジオ用途で重要です。 |
端子の種類 | XLR端子(プロ機器)、TRS端子(6.3mmステレオプラグ)、4.4mm Pentaconn、2.5mmバランスなどがあります。 |
アンバランス接続との違い
比較項目 | バランス接続 | アンバランス接続(RCA等) |
---|---|---|
信号線構成 | Hot(+)+Cold(−)+GND | Signal(+)+GND(−) |
ノイズ耐性 | 非常に高い | 低い(長距離でノイズ混入しやすい) |
主な用途 | プロ機材・高級オーディオ | 家庭用オーディオ・簡易機器 |
コネクタ例 | XLR・TRS・4.4mmバランス | RCA・3.5mmステレオミニ |
バランス接続の注意点とよくある誤解
1,バランス接続=音質が良いではない:ノイズ対策のための設計で、機材側も対応していないと効果は発揮されません。
2,アンバランス機材にバランスケーブルを挿しても意味なし:両端がバランス対応でなければ、単なるアンバランス接続になります。(例:イヤホンがバランス接続対応でもPCやオーディオインターフェースがアンバランス接続だとバランス接続にならない)
3,ヘッドホンのバランス接続は左右完全分離:クロストーク低減によるメリットも。
まとめ
バランス接続のメリットとデメリット
メリット
メリット | 解説 |
---|---|
ノイズに強い | Hot(+)とCold(−)の信号に同じノイズが乗っても打ち消す設計。長距離ケーブルでも安定した信号を伝送可能。 |
長距離伝送に適している | スタジオ・ライブ会場などで数十メートル以上のケーブルを使っても音質劣化が少ない。 |
高音質・高ダイナミックレンジ | ノイズの影響が少ないため、繊細な音や広いレンジを正確に伝送できる。 |
左右チャンネルのクロストークが少ない | 特にバランス接続のヘッドホンでは、左右が完全に分離されるため定位が向上。 |
デメリット
デメリット | 解説 |
---|---|
機材が高価になる | 対応した入出力回路やコネクタが必要なため、価格が高くなる傾向。 |
互換性が限られる | アンバランス機器とは直接接続できない、変換が必要な場合もある。 |
接続が複雑になる | XLRやTRS端子など、端子の種類が複数あり、間違いやすい。 |
バランス接続=音質が良いは誤解 | ノイズ対策が目的で、必ずしも音が良くなるわけではない。短距離では差が感じにくい。 |
アンバランス接続のメリットデメリット
メリット
メリット | 解説 |
---|---|
構造がシンプル | Hot(信号)とGND(グラウンド)の2本だけの簡単な配線。 |
コストが安い | ケーブル・機材共に安価で、家庭用オーディオで広く普及。 |
接続が簡単・互換性が高い | RCAや3.5mmなど多くの民生機器が採用、汎用性が高い。 |
短距離なら十分 | 数メートル程度の接続では、ノイズや劣化が気にならない。 |
デメリット
デメリット | 解説 |
---|---|
ノイズに弱い | ケーブルに電源ノイズや電磁波が乗るとそのまま信号に混入する。特に長距離では顕著。 |
音質の劣化が起きやすい | ノイズ混入だけでなく、グラウンドループによるハムノイズのリスクも。 |
左右チャンネルが近接 | ステレオケーブルでは左右チャンネルが1本にまとめられているため、クロストークが発生しやすい。 |
結論:どちらを選ぶべき?
特に音質へのこだわりがない場合やコスパを重視するならアンバランス接続一択です。
しかし、もっと音を良くしたい方や、バランス接続に興味がある方、オーディオインターフェースがバランス接続対応のものを使用している方はバランス接続を試してみても良いと思います。
筆者も普段はバランス接続のイヤホンを使っていますが、やはりアンバランス接続のときと比べて音質が良い気がします。環境が整っている方はぜひバランス接続のイヤホンやヘッドホンを使ってみてください!
おすすめのイヤホンをチェックする
初めてのバランス接続ならこれ!お手頃価格帯のバランス接続可能なイヤホン2選!